学生ブログ
フランス ボルドーモンテーニュ大学 HSさん②
フランスは、日本よりもバカンス(休暇)が長いことで知られていると思います。もちろん、私たち交換留学生にもバカンスがあります。大まかにいうと、2週間のバカンスが、秋、冬、春にあり、それぞれの間にさらに1週間のバカンスがあるというイメージです。1年で最も長いのが年度末の夏のバカンスで、海沿いの街(特にニースなどの南仏)では各地からのバカンス客でいっぱいになります。私もこれらのバカンス期間を利用して、各地に足を運びましたが、直近でとても印象深い、モロッコでの経験を少しだけ、お伝えしたいと思います。
この旅行の経緯を説明しようとすると、この留学体験記にはおさまらない内容となってしまうため(一度説明を試みましたが、あまりに長くなってしまったので)、かいつまんで説明します。
飛行機に乗る前に携帯をなくし、携帯を持たない状態でモロッコ旅をしました。厳密に言うと、友人は携帯を持っていたので、完全に携帯なしでの旅ではなかったのですが、やはりいつもの旅とは違う何かがありました。まず、この旅行の中で、航空会社のオンラインチェックインや、バスのチケットなど、自分自身の旅行において携帯電話やネット環境が必要不可欠な状態にあるということを痛感しました。全ての予約を、ネットを通じて行っており、さらにネットを通じて実際に利用するという、完全に、ネット環境がなければできない旅行の仕方を取っていました。そのようなことから、携帯なしで旅行する、ということに初めはすごく不安感を抱いていたのですが、幸い、チケットやホテルの予約画面のスクリーンショットなどを友人とSNSで共有していたため利用できました。もしそうしていなかったら、さらにチケットを取る必要があったのではないかと思います。
このように、意外にも何とかなる部分があり(友人は携帯を持っていた、ということも大きいのですが)、いかに自分が過剰に、携帯電話というものを必需品だと捉え、依存しているのかがわかりました。そして、旅行前に無意識にしていた行動(友人に各情報を共有しておく、といった行動)がイレギュラーなことに陥った場合にとても役に立つということもわかりました。
また、旅行中は、デバイスがないので、写真を撮ることもなく、インスタグラムなどで行きたい場所を探すということもなく、また、フランスや日本にいる友人とSNSでやり取りをするということもしていなかったので、マラケシュという街に、旅自体にとても集中することができたように思います。さらに、携帯をすられるかもしれないという不安もなかったので、より目の前で起きていることに、街の雰囲気に、集中できたような気もしています。最終的に何事もなく旅行を終えられたのは、一緒に旅をしてくれた友人のおかげなのですが、旅に対しての捉え方や携帯電話との付き合い方を、とても考えさせられる旅行となりました。また、失った携帯ですが、幸い自分の手元に戻りました。フランスという異国の地で、なくした携帯が戻ってくるという、貴重な経験ができたのも、とても自分自身にとって大きな出来事であったと思います。そのような意味でも、留学期間中最後のバカンスを、実りあるものにすることができました。
フランスとバカンスは切っても切れない関係にあります。日本と比較して、とても長い休みのシステムを取り入れているからには、それなりの理由があるのだと、身をもって感じる、8ヶ月間でした。
私はこの時、スーク(市場のようなもの)で買った青いスカーフを巻いていました。スークは客引きが非常に多く、かなり疲れてしまいます。紹介制なのか、買い物をしたら別の部門の店に連れていかれました。注意が必要です。フランスで、NONと言うことに慣れていたので、欲しくないものを買わされるということはありませんでしたが、やはりまだまだ慣れないものがあります。特にスークの中ではスタイルや見た目を褒められるので悪い気はしませんが、商売のためであるということを肝に銘じて観光しました。
この2MADがポケットの中にあったおかげで、謎のassociationに80MADほどのお金を払うことをしなくて済みました。説明が難しいのですが、道端で、「道を案内するよ」と言ってきた男性のグルに80MADほどお金をせびられました。その時、頑なに「2MADしかない」と現物を見せて言ったら見逃してくれました。結局何も払いませんでした(彼らにとって2MADはIt’s nothingらしいです)。
最終日に飲んでみましたが(氷を入れないなどの注意をしながら)、私たちの感想は「甘すぎ」でした。レモンの味がほとんどしないのです。他にもオレンジジュースなどがありますが、マラケシュを観光された際には、このレモンジュースを是非飲んでいただきたいと思います。感想をお聞かせください。