学生ブログ

大阪・関西万博訪問記2025.10.19

心に残ったパビリオン⑥ブラジル館

 今回、万博に参加し、国際文化学科の学生として、さまざまな国のパビリオンを回る中で、とても貴重な文化体験をすることができました。各国の文化や映像、展示を通して、普段は触れることの少ない価値観や考え方に触れられ、とても新鮮で楽しかったです。一方で、展示の多くは国の特色や文化の表面的な部分に焦点を当て、楽しむ側としてはどこか「消費的」な印象を受ける部分もありました。現在の日本社会で見られる排外主義的な空気と照らし合わせると、文化を楽しむだけでなく、その背景にある課題や差別にも目を向け、解決に向けた行動をとることが必要だと感じました。国際文化学科の学生としても、単に展示を楽しむだけではなく、異文化間の摩擦や社会的な背景を意識し、消費活動の域を超えたより深い文化理解を目指していきたいと思いました。


 特に印象に残ったのはブラジルパビリオンです。ここでは、環境問題や人権問題、戦争など、国際社会の抱える課題を正面から扱い、それらを変えていく未来を示唆する映像作品が中心でした。「今、私たちが果たすべき使命は自らの資源や力を誇示することではない」というメッセージが、万博の意義を考えるきっかけとなり、印象的でした。万博を展示として楽しむのではなく、消費構造や植民地主義への批判的な視点を提供してくれる言葉でした。「私達が目指すのは飢餓のない社会、自然との調和ある共存、差異を価値として尊重する文化、意図的なあらゆる暴力の根絶」という直接的なメッセージを映像作品に取り入れており、万博を通して、平和とそのための行動を多くの人に訴える在り方に、エンパワーされました。手を取りあって差別や脅威のない国際社会を目指すことの重要性を改めて感じられる、素晴らしいパビリオンだったと思います。


 また、楽しく参加できたからこそ、万博に関連して報道されている工事費用の未払いなどの問題や、影響を受けた方々への救済措置についても、今後の改善がしっかり行われることを願っています。

(2年 BSさん)


最新学生ブログ