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大阪・関西万博訪問記2025.10.30

コモンズA キルギスブース

世界と繋がる日本

 

今回、大学からチケットをいただいて、人生で初めて万博に参加しました。

万博の準備をいろいろとしていく過程で、中学生のとき、自分の住む東京で開催されるオリンピックのチケットを入手して楽しみに開催を待っていたことを思い出しました。有観客での開催は難しく、テレビ越しに得た感動をもし実際に味わうことが出来ていたら、と悔しく思ったことも記憶に残っています。

新幹線に乗って新大阪駅に到着したときから、駅がいつもよりもさらに盛り上がっている様子を見て、関西万博への期待は高まるばかりでした。

そして期待とともに、とにかく、無事に開催できてよかったと安堵の気持ちも抱きました。

大阪を中心として、関西の街が華やかで活気溢れるお祭りムードになり、至る所でミャクミャクを目にしていましたが、会場に足を踏み入れると、それを遥かに超える熱気でした。それぞれの国が、自分たちの進歩や歴史を、情熱を持ってアピールしている姿には、これからの日本を背負っていく世代として、鼓舞される気持ちになりました。日本ではあまり馴染みのない国のパビリオンのスタッフの方々が、流暢な日本語をお話されている様子は、きっと日本語を勉強する場所や教材も乏しい中で、私たちの言語をここまで身につけたことに対して感謝と尊敬の思いを抱きました。また、普段街中でその国の料理の専門店を見かけたり、その国から日本に多くの旅行者が来たりしているような国のパビリオンも楽しみましたが、自分が抱いているイメージとは異なり、私たちがその国の魅力だと考えていたことと、その国が自国の魅力として宣伝したいこととの乖離を感じました。この経験を通して、ずっと日本にいて、日本語の情報や日本人の価値観を元に物事を受け取るのではなく、実際に現地に足を運んでみたり、外国語を勉強して現地語で情報を集めてみたりすることの大切さを改めて実感しました。

 

私が特に記憶に残っているのはフランス館とコモンズのキルギスブースです。

フランス館では、フランスと聞いたときにパッと思いつくパリの華やかなアートやファッションなどの芸術的な側面だけでなく、農業やスポーツについての展示もあり、フランスについてより深く知ることができました。また、フランスと日本の姉妹都市を代表とする建築物の展示があり、モンサンミッシェルと厳島神社を注連縄で結んだ展示は、特にお気に入りで、幻想的でありながら力強い、2つの建築物がお互いをより引き立たせていると感じました。そして、宮崎駿監督からの修正を受けながら出来上がったもののけ姫のタペストリーも素晴らしく、地元の工芸と遠く離れた国のアニメーション映画を一つの作品として上手く作り上げており、製作者のリスペクトが伝わってきました。

 

コモンズのキルギスブースでは、キルギスの可愛いユキヒョウとともに、今までほとんど知らなかったキルギスという国について知ることができました。キルギスは、日本人と顔立ちが似ていて、魚が好きな人は日本人に、肉が好きな人はキルギス人になったと言われているほどだそうです。そんなに似ている顔立ちを持った人々の国を、今回きっかけに知ることができてとても良かったです。宗教はイスラム教だったり、80以上の民族を擁する多民族国家だったりというところは日本と異なる点で、展示されている美術品や工芸品は、日本ではなかなか見かけることのないデザインでした。遊牧民が多いことから、ゲルのような工芸品があって、こういったゲルについては、プレゼンテーションのためにモンゴルについて調べ物をしたときのことを思い出しました。こうやって、国と国は繋がっていて、文化や歴史的にもたくさんのものを共有しているということを改めて実感しました。これからも、比較したり、共通点を探したりしてより深くその国のことについて勉強していきたいと思います。

  

万博では、待機列に並んでいる短い間でも話しかけてくれたベルギー館のスタッフの方、歌で、パビリオンを訪れた人だけでなくその周辺を歩くすべての人を楽しませてくれたインドネシア館の方々、ダンスを踊ったり演奏をしたりしながら盛り上げ、現地の雰囲気を体感させてくれたアルジェリア館の方々など、パビリオンやショーだけではなく人からもたくさんのエネルギーと思い出をもらうことができました。パビリオンの事前予約が当たらなかったり、レストラン列はとても混雑していてなかなか食べられなかったり、とても暑くて熱中症になりかけたりと、大変なこともあったけれど、人の温かさに触れられたことはとても良い経験になりました。厳しい暑さの中でも、世界のにぎやかな音楽を聴きながら、大屋根リングの下で涼しい風に吹かれて涼んでいたことは、今でも忘れられない思い出です。世界中の人と日本にいながら話せたことも、万博ならではのことだと思います。外国に行けば、もっとたくさんの方と関わり、現地の文化や言語、食事などを実際に学べると思うと、外国語の勉強や、異文化理解をもっと深めようと思うモチベーションにもなりました。万博に参加できたことは、人生の財産になったと思います。

(2年AYさん)

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