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学生生活2022.02.23

卒業研究について

文化学科4年 中島です。

今回は、卒業研究(卒業論文)について書こうと思います。

私は、杉山直子先生のアメリカ文化ゼミに所属し、卒業研究を進めました。

卒業研究は定期的に先生と相談しながら(ゼミ内や個別で)進めていくのですが、特に10月後半から12月の締め切りにかけては、毎日のように大学の図書館に通い作業をしていました。

大学の図書館は蔵書数が多く、自習スペースも机が広いので、様々な資料や文献を探しながら作業することができて本当にありがたかったです。

ほかにも近所の図書館や本屋でたくさん文献を借りたり買ったりして、これまでの人生で一番勉強したな…と思いました。



さて、卒業論文ですが、私は「アメリカにおけるホームレス概念と変遷」について執筆しました。

簡単に内容を紹介すると、アメリカ社会においてホームレスがどのような立場に置かれていて、彼らへの救済や対策がどのように行われてきたのかについて植民地時代から現代に至るまで、時代を追って調べました。

その結果、アメリカのホームレス救済策(対策)は、ホームレスの原因となる「貧困」や「失業」に目を向けたものではなく、いかにホームレス個人に援助をして、ホームレス(家が無い)状態でなくするかに重きを置いているということが分かりました。

そしてその理由として、アメリカ合衆国では成功や失敗は個人の努力によるものという「自己責任論」が伝統的に主流であり、そのためにホームレスを「社会のしくみの犠牲者」ではなく「無能」「怠惰」とみなす傾向が強いからであることを突き止めました。つまり、ホームレスばかりでなく、そもそものホームレスの原因である「貧困」も個人の努力不足であるという偏見が歴史的に根強いこともわかりました。

しかし、ホームレスを無くすには貧困をなくなさなければいけなくて、それは社会全体の問題なので個人を救うだけではホームレス問題の解決にはつながらないのではないか、という結論に至りました。



卒業研究は各自が自由にテーマを設定できるので、自分の興味があることを掘り下げていき、自分の知識が増えていくのが本当に楽しかったです。

 

先日行われた卒業研究発表会でも、発表者の研究は多岐に渡っていてどれも非常に興味深いものばかりでした。

文化学科の学びの多様さが現れている気がして、改めてこの大学を選んで、文化学科で学べてよかったです。


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