ゼミ紹介

髙井 奈緒

タカイ ナオ

専門分野・研究対象

19世紀のフランスで書かれた写実主義・自然主義文学の研究をしています。特にフロベール、ゴンクール兄弟、ゾラなどの書いた小説において、女性の身体や衣装がどのように描かれているか、また身体と衣装との関係性において女性がどのように描かれているのかを研究してきました。今後は19世紀の小説における男性と衣装との関係についても研究を進めていきます。


メッセージ

私が感じる文化学科の魅力

色々な国のさまざまな形態の文化が、自分の興味に応じて自由に学べるところが大きな魅力だと思います。古典からポップカルチャーまでと守備範囲も広いですから、文化に興味がある人にはもってこいの学科です。たとえ最初は自分が何に一番興味を持っているか分からなくても、授業を受けていくうちに視野がどんどん広がり、自分が好きなもの、卒業研究で追求したいテーマが見つかるはずです。


文化学科で学んでほしいこと

それぞれの地域や国に異なるものの見方があること、複雑で深い歴史があること、多様な文化や表現があることを学んでください。また、異文化を知れば知るほど、人間の愛情、美への探求心など、それらの中にどこか必ず共通点があることも分かると思いますし、皆さんが暮らしている日本のことについても興味が出てくるはずです。


私のおすすめ

おすすめの映画は、フランスのクロード・ルルーシュ監督による『レ・ミゼラブル』(1995年)です。同名の小説の映画化で、舞台が第二次世界大戦期のフランスに移されているのですが、孤児の主人公がユゴーの小説と出会い、自分がジャン・ヴァルジャンで、周りの人間が他の登場人物だと意識していく中で物語が進行する重層的な構造になっています。戦時下のフランスで起きた事、ユゴーの小説の普遍的な美しさ、映画の素晴らしさについてなど、多くのことを考えさせられる映画です。


文化学科をめざすみなさんへ

受験のためのテクニックを身につけることに一生懸命になるよりも、本を読んだり、展覧会に足を運んだり、映画を観たりして、色々なことに興味を持ってください。最初は全く関連がないと思うようなことでも、次第にどんどん繋がっていくようになります。そうすると、学校や受験の勉強も楽しくなっていくと思います。


ゼミ紹介

ゼミの内容

 フランスの文化に関して卒業研究をしたい人のゼミです。 

 これまでのゼミ生の研究分野は、生活に関することから(フランスの食、ヴァカンス、社会における女性の地位など)、バレエ、ファッション、文学作品など様々です。 

 ゼミでは、その年のゼミ生の興味に応じて、年間1~2冊の本を一緒に読みます。近年は、フロベールの『ボヴァリー夫人』、ゾラの『ナナ』などの文学作品を読んだり(日本語)、小倉孝誠『〈女性らしさ〉の文化史―性・モード・風俗』、19世紀の歴史家ミシュレの書いた『愛』(日本語)を読んだりしました。各学期の後半では、それぞれの学生の研究成果を発表してもらいます。 

 卒業研究では、フランス語の知識を生かして、フランス語の参考文献や情報も積極的に取り入れる学生が多いです。私が担当している「フランス語原典講読」の授業もなるべく一緒に受講してください。


受講生が語る~高井先生の「文化学演習Ⅱ」はこんな内容!こんな雰囲気!

 高井先生のゼミでは、エリザベート=バダンテール著『母性という神話』を読み、社会的背景を踏まえながら、フランスにおいて母性愛がどのように形成されてきたのかを学んでいます。授業ごとに一人ずつ担当箇所の要約と、感想・質問などを発表します。先生は全員の研究テーマに合った文献を選んで下さるので興味を持って取り組めますし、難しいところは丁寧に解説して下さるので、とても分かり易いです。

 また、個人の論文内容を発表する機会もあります。三年生のうちから様々な文献を読むことで研究テーマを具体的にし、卒業研究を計画的に進められます。先生は個人個人に合った参考資料をたくさん紹介して下さり、方向性についても親身になってアドバイスを下さるので、自分のやりたい研究をどんどん深めることができます。

 今は少人数なので、先生との距離も近くとてもアットホームな雰囲気です。

 フランスに興味がある方にはおすすめのゼミです!

(ゼミで皆で読む本は、毎年ゼミ生の関心に応じて変わります。)


これまでのゼミ生の卒業研究テーマ(抜粋)

  • 『レ・ミゼラブル』におけるファンチーヌの表象~小説とミュージカルの考察から~
  • ジョルジュ・サンドのメッセージ〜『ちいさな愛の物語』を読む〜
  • 18世紀旧体制下の生活習慣~フランス貴族と民衆の比較的考察~
  • 映画と移民文化からみる移民大国フランス
  • 『ボヴァリー夫人』に見る19世紀のフランスの女性像
  • 『ラ・シルフィード』の謎と魅力