ゼミ紹介

伊藤 由希子

イトウ ユキコ

専門分野

倫理学、日本思想史。

日本人の倫理・宗教・芸能の問題を、思想書のみならず、物語や説話、ドラマや漫画等の材料も使いながら、思想として概念化される前の状態にまでさかのぼって考え、そこから新しい思想可能性を引き出すことを試みています。


メッセージ

私が感じる文化学科の魅力

文化学科の先生方はみなさん、学識にあふれていらっしゃるのはもちろん、さまざまなことへの探究心がとても強く、魅力的な方ばかりです。

学生さんたちもとても勘がよくて、〈いろいろなことを面白がる力〉を持っているな、と感じています。


文化学科で学んでほしいこと

普段素通りしてしまいがちなものごとの面白さ、可能性を見つけ出す力を、ぜひ身につけてもらいたいと思っています。

世界はとても豊かな可能性に満ちています!


私のおすすめ

竹内整一『やまと言葉で哲学する――「おのずから」と「みずから」のあわいで』春秋社、2012年

普段何気なく使っている日本語に、日本人のどのような発想や思いが潜んでいるのかが見えてきます。


文化学科をめざすみなさんへ

面白いことを探しているひとは、ぜひ文化学科に来てみてください。

私も毎日面白がっています。


ゼミ紹介

2021年度のゼミでは「御伽草子を太宰治『お伽草紙』とあわせて読む」というテーマで、

「一寸法師」や「浦島太郎」など、私たちにも馴染み深い作品が含まれている御伽草子を読みました。
多くのひとが楽しんできたそれらのお話を丁寧に読んでいくことで、その背景にある日本人の人生観や宗教観も踏まえながら、

いわゆる哲学や宗教の教えの⾔葉とはまた違った、〈普通のひとびとが何を感じ、何を考え⽣きていたのか〉を考えていき、さらに、これらの昔話を翻案した太宰治の『お伽草紙』を読むことで、昔話の時代と現代で共通するもの、あるいは異なるものを見ていきました。


2022年度のゼミでは、能の台本である謡曲を読んで、そこに込められたひとびとの思いや世界観を読み解きたいと考えています。

映像も併せて見ながら、また、実際の舞台にも足を運ぶ予定です。


これまでのゼミ生の卒業研究テーマ

  • ムスリム女性はファッションを楽しめているのか―イスラーム社会から見たヴェール―現代演劇のリアリティー
  • 狐憑きはなぜ狐なのか〜見えない存在と共に暮らす〜
  • なぜSNSで自己表現をするのか~なぜ「いいね!」が欲しいのか~
  • 芸術とジェンダーー演劇における「女らしさ」とはー
  • 民藝
  • 人は生まれてこないほうが良いのか―森岡正博『生まれてこないほうが良かったのか?生命の哲学へ!』―
  • 朱塗りの鳥居とイメージについて